Touchable HTML · Field Note 01
画像インフォグラフィックではなく、
触れるHTMLで説明する理由
一枚の絵は、結論を伝えるのは得意です。けれど「そこへどう辿り着いたか」という過程には弱い。説明をHTMLにして部品化すれば、書き手の側に固定されていた読む順番と粒度を、手放せます。この記事は、その主張を文章で述べるだけでなく、同じ題材を二つの見せ方で並べて、あなた自身の手で確かめられるようにしました。
トップへ戻る一枚の絵が、取りこぼすもの
業務の説明資料で、フロー図やインフォグラフィックは重宝されます。全体が一目で入る。印刷できる。誰かに見せたとき「分かった気」になりやすい。これは画像の強みで、否定するものではありません。
問題は、その「分かった気」が結論の輪郭に偏ることです。矢印が三本並んでいても、なぜその順番なのか、どこで分岐するのか、ある一手順だけを深く知りたい人はどこを見ればいいのか——絵はそれらを一様な解像度で塗りつぶしてしまいます。誰が開いても、同じ大きさ・同じ順番で受け取るしかありません。
つまり一枚の絵は結論に強く、過程に弱い。情報の粒度と読む順番が、最初から書き手の側に固定されているのです。
同じ題材を、二つの見せ方で
題材は、この Lab そのものが勧めている「AIに頼んでアプリ(触れるHTML)を作る」の全体像です。まったく同じインフォグラフィックを、一枚の画像と、触れるHTMLの二通りで用意しました。仕組みの流れを再生したり、各工程の中身を開いたりできるのは、HTML側だけです。
一目で分かる画像 対 順番と深さを選べるHTML
その一画像インフォグラフィックとして見る
全体像はひと目でつかめます。でもどこも押せない——流れを再生することも、工程を開くことも、注意点を畳んでおくこともできません。
止まった一枚に対して、読む人にできることはありません。どこから読むか、どこまで掘り下げるか——順番も深さも、画像が決めたままです。
その二触れるHTMLとして見る
これをそのままHTMLにしました。見た目は〈その一〉の画像とまったく同じ。でも、こちらは動きます——下の ▶ を押すと、各パネルへ順にスクロールしながら、必要なもの → 仕組み → 注意点 → 使い始め、と一つずつ案内します。
話すだけで、自分用のアプリができる
コードを書かず、ふだんの言葉でAIに頼むだけ。
必要なもの
仕組み
注意点
1日に使える量(トークン)に上限がある。大物は計画的に。
AIに任せきりにせず、できた結果は自分の目で確かめる。
まずはここから
ここから、さらに動きを足せます
各工程をタップして、中身を開く
上の「仕組み」の ① ② ③ は、タップすればそこで何が起きているかを開いて読めます。一枚の絵では、こうして掘り下げることはできません。
「経費の表をブラウザで一覧にして」のように、日本語でやりたいことを書くだけ。専門用語も、コードも要りません。
AIがターミナル(CLI)の中でファイルを作り、書き換え、確認します。あなたは進み具合を眺めているだけで構いません。
できあがるのは一枚のHTML。ブラウザで開けば、押す・並べ替える・数字を変えるといった操作がそのまま動きます。
詳しさも、あなたが選べる
順番だけではありません。同じ「仕組み」を、粗くも細かくも——下のつまみを動かすと、文も、行数も、色までいっせいに変わります。一枚の絵は、これを一つの詳しさで固定したままです。
いま:ざっくり 表示中の説明:3 行
- 頼む 「経費の表をブラウザで一覧に」のように、ふつうの言葉で頼むだけ。 コードも専門用語も要りません。
- 作る AIがターミナルの中で、作って・直して・確かめます。 あなたは進み具合を眺めているだけで構いません。
- できる ブラウザで開けば、押す・並べ替える・数字を変えるが動きます。 画像と違い、読み手がその場で触れます。
スクロールで組み上がり、流れが光り、工程を開き、詳しさまで選べる——同じ内容でも、画像とは「読み方の自由」がまるで違います。同じ要領で、注意点の補足も、業務ごとの分岐も、必要なだけ足していけます。
HTML化すると、何ができるか
説明を画像から構造化されたHTMLへ移すと、絵では一つに固定されていたものが、いくつかの自由に分かれます。
読む順番は、自分で選ぶ
仕組みを順に再生して流れで掴む人もいれば、気になる工程だけ先に開いて読む人もいます。書き手が決めた一本道ではなく、自分の問いに沿って入口を選べます。
粒度も、自分で決める
全体は畳んだまま俯瞰し、必要な工程や補足だけ開いて深く読む。情報を削るのではなく階層化することで、初めての人にも、確認したいだけの人にも同じページが応えます。
過程を、検証可能にする
「なぜこの順番か」「どこで分岐するか」を、絵の余白に押し込めず、開けば必ず読める場所に置けます。結論の輪郭だけでなく、そこに至る筋道まで手渡せます。
まとめ — 主導権は、あなたの手に
一枚の絵は結論に強く、過程に弱い——だから説明を部品化されたHTMLへ移すと、画像では固定されていた読む順番や粒度を、手元から選べるようになります。その違いは、この記事の二つの実演がそのまま映しています。画像は触れても動かず、触れるHTMLは観点と深さを選べる。並べてみると、その差がそのまま見えてきます。
構造の人 Lab は、複雑な業務やルールを「誰もが辿れる構造」へ翻訳し、それを触れる形にして残していく場所です。一枚の絵で立ち止まらない説明を、一つずつ作っていきます。